フルートを科学する ~楽器の支え~
最近、フルートを吹いていて、左手人差し指の付け根が痛くなることがあり、 気になって考えてみた。
フルート演奏時の力・モーメントのつり合い
フルートは,主に,唇,左手人差し指付け根、右手親指で支える(3点支持).
それにプラスして,補助的に,右手小指も楽器を支える役割をしている.
唇は「支点」としての役割をしていると思われる.
模式的にあらわすと以下の図のようになる.
ここで,Rは唇による支点反力をあらわす.
楽器を支えるためには,力とモーメントがつり合っていないといけない。
- 力のつり合い
- 唇まわりのモーメントのつり合い
a:b:c=3:2:1くらいとすると,
式②から,
つまり,右小指の力がゼロなら(),
左人差し指で押す力()は、右親指で押す力()の2倍くらいでいいはず.
しかし,右小指に力が入ってしまうと(>0),その力の2倍くらい,左人差し指で押す力を強くしないといけなくなる.
右手は,支点(唇)から離れている分,少しの力で大きく楽器を前方に回転させるモーメントをかけてしまう.
それに対抗するために,左手の支えを強くする必要があり,左人差し指付け根に負荷をかけてしまう.
右小指に力が入りすぎないようにしないと.
力とモーメントのつり合いがとれるためのは,さまざまな値をとりうる.
いろいろ試して,自分にとって一番いい指の位置や力加減を探していこう.