Kimmy's Lab.

フルート好きのリケジョkimmyによる裏研究所

フルートを科学する ~楽器の支え~

最近、フルートを吹いていて、左手人差し指の付け根が痛くなることがあり、 気になって考えてみた。

フルート演奏時の力・モーメントのつり合い

フルートは,主に,唇,左手人差し指付け根、右手親指で支える(3点支持).
それにプラスして,補助的に,右手小指も楽器を支える役割をしている.

唇は「支点」としての役割をしていると思われる.

模式的にあらわすと以下の図のようになる.

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図1: フルートに作用する力

ここで,Rは唇による支点反力をあらわす.

楽器を支えるためには,力とモーメントがつり合っていないといけない。

  • 力のつり合い
 \displaystyle
R-P_1+P_2+P_3=0 ①
  • 唇まわりのモーメントのつり合い
 \displaystyle
P_1a-P_2(a+b)-P_3(a+b+c)=0 ②

a:b:c=3:2:1くらいとすると,
式②から,

 \displaystyle
P_1=(5/3)P_2+2P_3 ③

つまり,右小指の力がゼロなら(P_3=0),
左人差し指で押す力(P_1)は、右親指で押す力(P_2)の2倍くらいでいいはず.
しかし,右小指に力が入ってしまうと(P_3>0),その力の2倍くらい,左人差し指で押す力を強くしないといけなくなる.

右手は,支点(唇)から離れている分,少しの力で大きく楽器を前方に回転させるモーメントをかけてしまう.
それに対抗するために,左手の支えを強くする必要があり,左人差し指付け根に負荷をかけてしまう.

右小指に力が入りすぎないようにしないと.

力とモーメントのつり合いがとれるためのP_1,P_2,P_3,a,b,cは,さまざまな値をとりうる.
いろいろ試して,自分にとって一番いい指の位置や力加減を探していこう.